外壁カバー工法にはデメリットが存在する？

「外壁に汚れや亀裂が見られる」
「外壁の補修方法にはさまざまなものがあり、どれを選べばよいか分からない」
マイホームにお住まいの方で、外壁の劣化を補修するための方法についてお悩みの方も多いかもしれません。

代表的な補修方法の1つに挙げられるのが「外壁カバー工法」ですが、デメリットもあります。
今回は、外壁カバー工法における主なデメリットと、外壁カバー工法による補修が適したケースについて解説します。

□外壁カバー工法のデメリット

古い外壁にさらに新しい外壁の素材を重ねる工法が外壁カバー工法です。
金属サイディングと呼ばれる軽めの外壁素材を使用するために建物の負担になることもなく、一般的な張り替え工事よりも費用が抑えられる点でメリットと言えます。

しかし、外壁カバー工法には一定のデメリットも存在するのです。
ここでは、代表的な3つのデメリットを紹介します。

＊建物の中の劣化は補修不能

外壁面を対象にした外壁カバー工法においては、建物の中の劣化改善に向けた補修を行うことはできません。
建物の中が劣化している状態でカバー工法を実践するとかえって外壁の不具合につながる恐れがあるため、外壁の張り替えを検討する必要があります。

＊カバー工法による工事以降の補修は高額

既に外壁カバー工法を施した外壁には、原則として外壁張り替えによる補修しかできません。
カバー工法によって二重となった外壁を除去する作業がある分、張り替えの費用は高額になる可能性が高いと言えます。
サイディングの耐久年数は30年ほどですが、30年経っても住み続ける場合は、次の張り替えの補修工事に要する費用を把握してからカバー工法を実践した方が良いかもしれません。

＊耐震性に悪影響がある

外壁を二重にするカバー工法によって建物の重さが増すために、耐震性に影響が出ます。
外壁カバー工法で使われる素材は一般的に軽いのですが、重さが増すことは避けられないと言えます。
どうしても耐震性が気になる場合は、他の張り替えによる補修を検討しましょう。

□外壁カバー工法による補修が適している場合とは

一定のデメリットはあるものの、外壁カバー工法を実践した方が効果的であるケースもあります。
ここでは、代表的なケースとして以下2つを紹介します。

1.亀裂がある場合
外壁における空洞や塗膜の剥離、亀裂が外壁に見られる場合は、外壁カバー工法が有効です。
亀裂といった症状が確認される場合においては、上から塗装を行うことが困難であるため、外壁カバー工法によって新しい外壁素材を重ねる補修が適していると言えます。

2.断熱性を高めたい場合
家の中において過度に寒さが気になる場合は、外壁カバー工法によって家における断熱性を高めることが効果的です。
外壁カバー工法において使用される金属サイディングは断熱性を有している素材であるため、二重構造になることによって断熱性の向上を期待できるのです。

□まとめ
外壁カバー工法にはさまざまなメリットがある一方で、耐震性低下や建物内部の劣化を改善できない点でデメリットも存在します。
デメリットを把握する中でも、外壁カバー工法が適合するケースをきちんとおさえておくことが重要です。
外壁に見られる亀裂や断熱性についてお悩みの方は、外壁カバー工法による補修を積極的に検討しましょう。